子どもがいる家庭の防災備蓄、大人用だけでは足りないもの

体験談

2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生しました。気象庁はこの地震を「令和8年熊本地震」と命名し、その後も余震が続いています。

こうしたニュースを見るたびに、「うちの備え、大丈夫だっけ」と考えるパパも多いのではないでしょうか。実は、乳幼児がいる家庭の防災備蓄は、一般的な非常用持ち出し袋の中身だけでは足りません。子どもの月齢によって必要なものがまったく変わってくるからです。

今回は、子どもがいる家庭が用意しておきたいものを、月齢別に整理してみました。

まず知っておきたい、備蓄量の目安

自治体が示している家庭備蓄の目安は、一般的に「最低3日分、できれば1週間分」とされています。京都市の防災ポータルでも、各家庭で3日分以上、可能なら1週間分程度の食料や生活必需品を備蓄することが基本と案内されています。

ここで見落としがちなのが、赤ちゃん用品は災害後に手に入りにくくなるという点です。防災情報サイトの解説によれば、粉ミルクは災害発生後1週間以上にわたってスーパー等で品薄・欠品状態が続くことがあり、配給にも時間がかかる場合があるとされています。

つまり、大人は「あるもので何とかする」ができても、赤ちゃんはそうはいかない。この差を意識しておくことが、子どもがいる家庭の防災の出発点になります。

月齢別・用意しておきたいもの

ミルク期(0〜5か月頃)

  • 液体ミルク(6回分以上)と専用乳首
  • 粉ミルク(スティック・キューブタイプが計量不要で便利)
  • ミルク用の軟水
  • 使い捨て哺乳瓶、または紙コップ・授乳カップ
  • おしりふき、除菌シート
  • おくるみ、ガーゼ、着替え

液体ミルクは常温のまま飲ませられるので、停電や断水の状況では特に頼りになります。使い捨てカイロがあれば人肌に温めることもできます。

なお、母乳育児をしている場合でも、環境の変化やストレスで一時的に母乳の出が悪くなることがあります。念のためミルクを備えておくと安心ですが、日本栄養士会の資料では、これまで母乳で育ててきた場合に安易に授乳を中断することは母子の心身に影響する可能性があるとも指摘されています。あくまで「もしもの備え」として持っておく、という位置づけがよさそうです。

離乳食期(6か月頃〜)

  • レトルトパウチの離乳食(月齢に合ったもの)
  • 使い捨てスプーン、紙皿
  • おむつ(1週間分の枚数を計算しておく)
  • ゴミを密閉できるチャック付きポリ袋

この時期は「食べられるもの」が限られるので、月齢が上がったら備蓄も入れ替えていく必要があります。半年に一度くらい、中身を確認する日を決めておくと管理しやすくなります。

幼児期

  • 普段食べ慣れている非常食(レトルトごはん、パンの缶詰など)
  • お気に入りの小さなおもちゃ、絵本
  • お菓子(気分を落ち着かせる意味でも有効)
  • 子ども用のマスク、レインコート

避難所では子どもが退屈して騒いでしまい、それが親のストレスになることもあります。音の出ないおもちゃや絵本を1つ入れておくだけでも、状況はずいぶん違ってくるはずです。

避難のときに効くのは、ベビーカーより抱っこ紐

意外と見落とされがちなのが、避難時の移動手段です。

地震のあとは道路に亀裂が入ったり、ガラスや瓦礫が散乱したりします。そうした状況ではベビーカーはほぼ使えません。両手が空く抱っこ紐のほうが確実に動けますし、階段の上り下りにも対応できます。

普段使っている抱っこ紐を玄関近くに置いておく、あるいは古いものを非常用として持ち出し袋の近くにセットしておく。それだけでも、いざというときの動きやすさが変わってきます。

モノ以外の備えも、実は同じくらい大事

備蓄というと物ばかりに目が向きますが、情報や環境の備えも欠かせません。

防災カードを作っておく

子どもの名前、生年月日、血液型、アレルギー情報、かかりつけ医、家族の連絡先、そして子どもの顔写真。これらをまとめたカードを作り、持ち出し袋に入れておきます。母子健康手帳や健康保険証、医療証のコピーも一緒にしておくと安心です。

親とはぐれてしまったとき、子ども自身が名前や連絡先を伝えられない年齢であれば、このカードが子どもを守る手がかりになります。

家具の固定を見直す

地震で最も直接的に子どもを危険にさらすのが、倒れてくる家具や落下物です。特に子どもが過ごす時間の長い部屋、寝室のレイアウトは一度確認しておきたいところです。

  • 寝ている場所の頭上や周囲に、倒れてくるものがないか
  • 背の高い家具は固定されているか
  • ガラス製品や重い物を高い位置に置いていないか

家族の集合場所と連絡方法を決めておく

平日の昼間に地震が起きたら、パパは職場、子どもは保育園、というケースも多いはずです。「誰が迎えに行くか」「連絡が取れないときはどうするか」を一度話し合っておくだけで、当日の判断が早くなります。

あわせて、自治体が配布しているハザードマップを確認して、自宅周辺で想定される災害や避難ルートを把握しておくといいと思います。

まとめ:完璧を目指さず、まず一つから

ここまで挙げてきた項目を全部そろえようとすると、正直しんどいと思います。でも、防災は「全部やるか、やらないか」ではありません。

液体ミルクを数本買い足す。防災カードを1枚作る。寝室の家具を一つ固定する。どれか一つでも動かせば、その分だけ家族が守られる確率は上がります。

週末に30分だけ時間を取って、まずは持ち出し袋の中身を開けてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

ケイスケ

子育て中のパパ。買って使ったもの、選ぶときに調べたことを、家族の時間が増えたかどうかで正直に書いています。

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