毎朝、園バスに乗り込む我が子を見送る。あの光景、当たり前の日常ですよね。
でも、夏が来るたびにニュースで流れる「送迎バスでの置き去り」の報道を目にすると、ふと不安になることがあります。実は2023年4月から、送迎バスへの安全装置の装備が法律で義務化されているのをご存じでしょうか。
制度としては整ってきているものの、実際の運用は園によって差があるのが実情です。親として何を確認しておけばいいのか、今回は整理してみました。
2023年4月から、送迎バスの安全装置は義務になっている
まず押さえておきたいのが、これが「努力目標」ではなく「義務」だということです。
関係府省令の改正により、送迎用バスへの安全装置の装備義務が2023年(令和5年)4月1日に施行されました。1年間の経過措置期間が設けられていましたが、それも2024年4月に終了しています。つまり現在は、対象となる園はすべて安全装置を備えていなければならない状態ということですね。
義務化されている内容は、大きく2つあります。
- 乗降車の際に、点呼などの方法で子どもの所在を確認すること
- 送迎用バスに安全装置を装備し、降車時にその装置を使って所在確認をすること
対象となるのは幼稚園、保育所、認定こども園、特別支援学校、認可外保育施設などで、対象台数は約44,000台にのぼるとされています。設置義務に違反した場合、業務停止命令などの対象になり得ることも示されています。
なぜ義務化されたのか
背景には、園バスの車内に子どもが取り残され、命が失われるという痛ましい事故が続いたことがあります。2021年には福岡県中間市で、2022年9月には静岡県の認定こども園で、それぞれ園児が亡くなる事故が起きました。
こうした事故を受けて政府は緊急対策「こどものバス送迎・安全徹底プラン」をまとめ、2022年12月20日には国土交通省が安全装置の技術要件をまとめたガイドラインを公表しています。
安全装置には種類がある。園がどれを使っているか知っていますか?
「安全装置がついている」と一口に言っても、実は仕組みにいくつかタイプがあります。
- 降車時確認式:エンジンを切った後、車内後方にあるボタンを押さないと警報が鳴る仕組み。運転手が必ず車内を最後尾まで歩くことになる
- 自動検知式:センサーで車内に人がいるかどうかを検知し、取り残しがあれば警報を出す仕組み
どちらのタイプにもメリットがあり、両方を組み合わせている園もあります。大事なのは「装置がある」ことよりも、「その装置が日々きちんと運用されているか」なんですよね。
こども家庭庁は、国土交通省のガイドラインに適合した製品のリストを公開しており、このリストは2026年4月2日時点でも更新が続いています。気になる方は、園が使っている製品名を聞いて、リストに載っているか確認してみるのも一つの方法です。
親が確認しておきたいチェックリスト
園に対して「疑ってかかる」ということではなく、家庭と園が同じ意識を共有しておくという意味で、確認しておきたいポイントをまとめてみました。
装置について
- 送迎バスに安全装置が装備されているか
- どのタイプの装置か(降車時確認式か、自動検知式か)
- 装置の点検はどのくらいの頻度で行われているか
運用ルールについて
- 乗車時と降車時、それぞれで人数確認をしているか
- 降車後に車内を目視で点検する担当者が決まっているか
- バスに乗った子どもと、園に到着した子どもの数を照合する仕組みがあるか
欠席連絡について
- 欠席の連絡がなかったとき、園から家庭に確認の連絡が来る仕組みになっているか
- 連絡手段は何か(電話、アプリ、連絡帳など)
特に最後の「欠席連絡の照合」は重要です。過去の事故でも、休むと思われていた子どもが実はバスに乗っていた、という認識のずれが被害につながったケースがあります。家庭側も、欠席するときは必ず園に連絡を入れる。この当たり前を徹底することが、親側にできる直接的な対策になります。
園に聞きにくいと感じたときは
「こんなこと聞いたらモンスターペアレントだと思われないかな」と気が引ける方もいるかもしれません。でも、安全に関する質問はまったく失礼なことではありません。
入園説明会や保護者会、個人面談など、質問しやすいタイミングを狙うのがおすすめです。「うちの子が休むとき、どのタイミングで連絡すればいいですか?」といった実務的な聞き方から入れば、自然に運用の話につながっていきます。
また、国による安全装置の導入経費補助事業は令和5年度で終了しているため、対応状況に園ごとの差が残っている可能性もあります。だからこそ、親が関心を持って確認しておく意味があるのだと思います。
まとめ:制度は整った、あとは運用を見届ける
安全装置の義務化によって、制度としての枠組みは整いました。ただ、装置はあくまで人のミスを補うためのもので、最終的に子どもを守るのは日々の運用です。
園に任せきりにするのではなく、家庭側も欠席連絡を確実にする、気になることは遠慮なく聞く。そうやって園と家庭の両方から見守る体制をつくっていくことが、いちばんの安全対策になるのではないでしょうか。





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